三月後半、群ようこさんの小説『れんげ荘物語シリーズ』にハマりました。
表紙のイラストが何とも言えず素敵です
45歳で広告代理店を早期退職した女性、キョウコが主人公。
長時間労働にも、上司や顧客の理不尽な要求にもひたすら耐えて、退職後の生活資金を貯め、満を持してのアーリーリタイアです。
これって流行りのFIREのハシリ(この作品は2009年出版)?
FIREは、リタイア後の生活費を、蓄えだけではなく投資の運用益などでまかなうものだそうです。
キョウコの場合、不労所得はナシ。ちょっとしたアルバイトもパートもきっぱりやらない。
貯金から毎月10万円引き出して、その範囲内で生活する、以上。
実に地味な暮らしぶり。
横文字FIREの、最先端をいってるイケてるイメージとは何だかちょっと違う・・・どちらかっていうと「隠居生活」という言葉がしっくりきます。
そしてFIREとか言われるよりも、「隠居」の響きにちょっと魅かれるのは私が昭和生まれのアラ還だからでしょうか。
キョウコは10万円生活を実現すべく、家賃3万円のボロアパートれんげ荘で一人暮らしをしているのですが、作品を読む限り舞台は吉祥寺辺りをイメージしているのかなあと思うのです。
そう考えると、家賃3万って相当アレです。
れんげ荘のボロっぷり、ユニークな住人達とのエピソード、まったりしたキョウコの日常。
れんげ荘の住環境はなかなか厳しそうですが、こんな生活一度はしてみたいかも思いつつ楽しく読みました。
シリーズ第2弾
「あ~、働かないって最高、幸せ!」とばかりに、キョウコが隠居生活を100%満喫しているかというとそうでもないのです。
始めのうちは、働きもせず平日の昼間からブラブラしている自分を持て余してはソワソワ。
この先健康を損ねたら?れんげ荘が潰れてしまったら?と不安も尽きない。
キョウコが、ちっとも颯爽とはしていないところがこの作品の魅力だなあと思います。
贅沢はできないけれど、ミニマムで静謐で満ち足りた、言うことないリタイア生活・・・なんて読む気しないかも。
シリーズ第3弾
シリーズ第4弾
シリーズ第5弾
れんげ荘暮らしもすっかり板についた頃、キョウコの部屋に近所の飼い猫ぶっちゃんが時折フラリと遊びに来るようになります。
「ぶっちゃん」はキョウコが勝手につけた名前。
第4弾、第5弾と、次第にぶっちゃん絡みのシーンが増えていきます。
正直、キョウコのぶっちゃんへの入れ込みようが気になる。
大丈夫か、キョウコ?
そんな『れんげ荘物語』、最新刊が今年の1月に出ています。
タイトルは「おネコ様御一行」。
やっぱりネコなのか・・・
とはいえ読みたい。図書館に入ったらソッコー予約しようと思います。
妄想イラスト
記事の最後にほんの一言二言、オマケくらいの感じで面白かった漫画や小説を紹介できたらいいなと思っていたのですが・・・
それじゃ物足りなくなったので、カテゴリを分けてみました。
紹介記事を書くのが楽しくなってしまったのと、分けたら少しは更新頻度を上げられるかもと思ったので。
記事を公開する瞬間のちょっとした高揚感を、週イチくらいは味わいたい!が目標です♪